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先日行った美容院で何気なく見ていた雑誌の片隅で紹介されていたこの作品。そこで書かれていた超忍耐幼児・秋くんの忍耐っぷりに非常に興味が湧いたので読んでみる事にしました。正直なところ絵柄はあまり好きな感じではなかったのですが、そんな事どうでも良くなるほど雰囲気の良い作品でした。
主人公の平介は高校2年生。超が付くほどのマイペースで友人から「お前は自分の都合でしか動かない」と言われてしまうほどの自由人。でもなぜか憎めないゆるーい魅力のある人物でした。そして、気になっていた超忍耐幼児・秋くんですが、本当に耐える子供でした。両親が忙しくても「こまるから」と寂しいとは言わないような子。それはちょっと痛々しい気がするほど。その上自分の事は自分で出来る手のかからない良い子です。平介と仲良くなろうと一生懸命努力する姿が健気で可愛くて、ぎゅってしたくなります。いや、もういっそ拉致したいくらい!←犯罪です…
この作品はそんな年の離れた従兄弟同士の2人が関わることで少しずつ変わっていく様子が丁寧に描かれていました。始めのうちは子供になんて興味なし、といった感じだった平介は、秋と関わるうちに徐々に秋の表情を読み取り手を差し伸べるようになっていきます。そしてそうなるにつれ周りの人の事も多少なりとも考えるようになっていきます。秋は秋で無口なりに平介に気持ちを伝えようと頑張って言葉にしようとしたり行動したりするようになります。すごく羨ましい関係だなって思いました。
この作品、平介と秋以外の登場人物も魅力的です。特に私が好きだなと思ったのは長谷さん。平介に思いを寄せる女の子なんですが、一言で表すと不思議な子。でも切なげな表情とか言葉とかがとても魅力的です。「名前だけでこんなにも」とセリフが胸に来ました。そしてこの長谷さんの友達がまた面白い。ボケた発言をする長谷さんに的確なツッコミを入れてくれるのです。良いコンビです。
ちょっと切ないけど、穏やかで優しい気持ちにしてくれる作品でした。今後平介がどんな風に変わっていくのかとても気になります。現在3巻まで出ているようなので近いうちに買おうと思います。